2012年5月14日
第560話:バンコクの新名所「ASIATIQUE」
先週は、7日月曜が5日の戴冠記念日の振り替え休日で3連休だった。
バンコクは雨季に入ったはずなのだが、例年よりも雨が少なく、気温が高い日が続いているので、日中は外出しようという気にならない。だが、今日で3連休も終わり!という日になって、せっかくだからどこかへ出かけてみるかと思い立ち、その行き先に選んだのが「ASIATIQUE」である。「ASIATIQUE」とは、4月にオープンしたばかりのナイトマーケットで、オープン前から何かと話題になっていた、バンコクの新名所なのである。

かつて、バンコクにはルンピニ公園に接する、「ルンピニナイトバザール」という大きなナイトマーケットがあったが、2010年末で営業を終了してしまった。その移転先......ということで、スクンビット通りの奥のほうに、「サイアムパラダイスナイトバザール」というナイトマーケットが出現したのだが、オープンしてから1年以上経つが、テナントショップも半分以上シャッターを閉めており、訪れる客もまばらで、ナイトマーケットとしてはまったく機能していない状態である。周囲にこれといった観光名所がなく、BTSの最寄り駅からも若干離れているからなのか。それとも、運営側が熱心に観光客誘致を行わなかった結果なのか。

「ASIATIQUE」は、チャオプラヤ川沿いにあった、古い倉庫跡地を利用して開発された。この倉庫は、デンマーク人がオーナーのEAST ASIATIC社という企業が所有する港に面する倉庫で、港ではチーク材の輸出が行われていたという。この「倉庫跡地」というのがポイントで、マーケット全体も、「WAREHOUSE(倉庫)」の中にテナントショップが建ち並んでいるという造りになっている。そして、マーケット内の建物等は、はるか昔のバンコクをしのばせるアンティークなデザインをしている。それもそのはず、「ASIATIQUE」が位置するヂャルンクルン通りは、今から約150年ほど前に、「バンコクには乗馬ができるような道がない」という外国人の要望を受けて、ラマ4世が建設を命じたという由緒正しい道路である。あらゆるものが目まぐるしく変化する現代において、古き良き時代に思いをはせる......という手法は、ホアヒンにある「プルーンワーン」というレトロマーケットや、アユタヤの「アヨタヤ水上マーケット」(第475話)と同様である。

「ASIATIQUE」は午後5時からオープンしているのだが、ワタシと相方が到着した午後6時過ぎにはすでに駐車場が満杯で、空いている場所を見つけるのに四苦八苦した。現時点では外国人観光客よりも、新しもの好きのバンコクっ子のほうが多く来場しているようだ。テナントショップで扱う商品は、外国人観光客向けのものもあるけれど、流行に敏感なタイ人が喜びそうな衣類や雑貨も多数あるという感じ。レストランも、どこのショッピングモールにもあるようなファーストフードチェーンもあるけれど、リバーフロントの特等席はシーフードレストランやイタリアンが並んでいたり、アイリッシュパブやワインバー、日本の焼き鳥屋まであるのが、バンコクの今を表しているなあと感じさせられた。

船着場をイメージしたリバーフロントには、お休みのせいか、これでもかというくらいの人があふれかえっていて、皆記念撮影に忙しい。川からは心地良い程度の風が吹いていて、日没も間近なので陽射しも強くなく、手すりにもたれておしゃべりしたり、景色を眺めながらぼんやりするには絶好の場所である。記念撮影の際には、大きないかりのオブジェがあるので、その前で撮るのを忘れずに。今回は劇場の場所を確認しなかったのだが、「ASIATIQUE」には、「ルンピニナイトバザール」にあった伝統人形劇の「ジョールイスシアター」や、ニューハーフショーの「カリプソキャバレー」も登場する予定だとか。

しかし、ここは倉庫跡地だけあって、だだっ広い。現時点での敷地面積は30ライ(4.8ヘクタール)だそうだから、端から端まで移動しようと思うと、結構な距離である。というわけで、リバーフロントから正門まで移動したい場合は、写真のようなアンティークトレインに乗るといい。
そもそも年中気温が高いということと、街中の歩道の状態が良くないことから、バンコクでは日本のような、「街を散策」というのがなかなか楽しめない。だからこそ、こういうふうに整備された敷地の中を、ゆっくりと歩き回りながら楽しめるスペースというのが歓迎される。これからバンコクへの旅行を計画されている方は、ぜひ訪れていただきたいお勧めスポットである。
ワタシのお粗末な写真では、なかなか雰囲気をお伝えすることができないので、タイ人のアマチュアカメラマンが撮った、臨場感あふれる写真をどうぞご覧ください。
http://www.oknation.net/blog/mrtaweesak/2012/03/05/entry-1

