2012年5月10日
留学先の先生に悪い成績を付けられた。差別では?
アメリカのコミュニティーカレッジに通う留学生です。成績の付け方について不満があります。私は休まず出席したし、宿題も期日に提出しました。エッセーもテストも、いつもAかAプラスの成績でした。ところが、ほかの国から来た生徒で、休みがちで、宿題も遅れて出すし、テストはたいていC、良くてBという成績なのに、学期末に成績が出ると、私はCで、その人はAだったのです。全く納得が行かず、先生に聞いても、「もう成績は出したので、今更何もできない」と言うだけで、何の説明もありません。学期中から感じていたのですが、どうも私のことを嫌っているようなのです。私は結構発言するほうで、先生に何度も質問にも行きました。ほかのアジア人の学生はおとなしいので、生意気だと思われたのかもしれません。でも、好き嫌いで成績を付けるなんてありえないし、これは差別ではないかと思います。留学して3学期目で、今まで、いい成績をキープしてきたのに、この先生のためにGPA(Grade Point Average=成績評価値)が下がるのは本当に悔しいです。このせいで、この学校で勉強をする意欲もなくなってしまいました。どうすればいいのでしょうか。
あなたは新しい環境の中でいろいろな困難を乗り越えて、今まで良い成績を出してきたのですね。ですからたった一人の先生のためにやる気をなくしてしまうのはもったいないことです。まずは何ができるか考えてみましょう。
ただ具体策を検討する前に、文面に一つ気になることがあります。それはあなたがほかの国から来た特定の学生(ここで便宜上Xさんとします)と自分の状況をものすごく比較している点です。自分の成績に不満があるのもさることながら、むしろXさんと比べて自分が不公平に取り扱われたと感じていること、これが最大の不満なのではないでしょうか? あなたが書いているようにもしかしたら本当に差別があったのかもしれません。でも結論に飛びつく前に、ちょっと考えてみましょう。
読んでいて疑問だったのは、ほかのクラスメイトもたくさんいる中、なぜあなたはXさんと自分を比べているのでしょうか? たまたま近くの席に座っていたから? それとも何かカチンとくることがあったから? それからあなたはXさんの全てのテストの成績や出席状況が分かっていて自分と比べていますか? Xさんは休みがちだったかもしれませんが、何か事情があって先生から前もって欠席の許可を得ていた可能性もありますし、宿題の期日も許可をもらって延ばしてもらっていたのかもしれません。自分の成績に納得がいかない場合に、ほか人と比べてクレームをつけても意味がありません。というのも最終成績は総合判断で、あなたがXさんの成績について知っているのは限られた範囲だからです。それに先生には守秘義務があり、あなたと話しているときに話せるのはあなたの成績についてだけで、ほかの学生の成績について話すことは禁止されています。もしあなたが先生と成績について話したときに、Xさんのことを引き合いに出していたとしたら、先生があなたに話せることはとても限られていたはずです。
さてここで上記のことを踏まえた上で、具体的に今何ができるか考えてみましょう。
(1)この授業の講義要綱を見直す。
要綱に成績の基準が載っている場合は、自分のエッセーやテストの結果と照らし合わせて、その結果が正確に最終成績に反映されているか確認します。もし正確に反映されていない、もしくは要綱に成績基準が載っていない場合は、次のステップに進みます。
(2)通っているコミュニティーカレッジの大学カタログ、あるいは学生ハンドブックに目を通す。
たいていカタログやハンドブックには、成績に納得がいかない場合や成績に間違いがあると思われる場合の手順が載っています。学校によって細かい手順は異なりますが、多くの場合次のようなことが必要になります。
(3)講義要綱、エッセーなどを持参した上でもう一度担当の先生と話す。
あなたが納得いかない点を具体的に説明し、どうして「C」なのか先生の説明を求めます。このとき大切なのは感情的にならないこと、ほかの学生と比べないことです。そのためにもどこがどう納得いかないのか、具体的に紙に書いて持っていくことをお勧めします。それからあなたは先生に生意気だと思われたのかもしれない、嫌われたかもしれないと心配しているようですので、先生と話すときにこれも合わせて率直に聞いてみてはいかがでしょう。
(4)それでもまだ納得のいく説明が得られない場合は、その先生の所属する部署の長と話す。
例えばこの先生が生物の先生なら、大学のサイエンスデパートメントの長と話し合います。
(5)最終的に納得がいかなければ、コミュニティーカレッジに異議申し立て(アピール)をする。
この手順は学校によって異なりますので、所属する学校に問い合わせます。そしてあくまで理論的に納得いかない点を説明すること、もし自分に落ち度があればきちんと認めること、このバランスが大切です。
今後も留学生活の中、納得いくこともいかないことも、うまくいくこともいかないこともたくさん経験するでしょう。でも本当の勝負はほか人とではなくて、自分との勝負です。自分に挑戦しながら、どんどん良い経験を積んで羽ばたいてください。期待しています。
(回答:辻本理奈)
- [留学]
2012年4月10日
夫の海外駐在に子どもを連れていくべきかどうか
夫にアメリカ駐在の辞令が出ました。勤務先はニューヨークです。小学5年生と1年生の子どもがいて、家族全員でアメリカに住むか、夫が単身赴任するかで悩んでいます。私は下の子が小学校に上がってからパートタイムで仕事を始めたばかりです。任期はおそらく3年から5年くらいという話なのですが、夫の前任者は7年いたので、どうなるか分かりません。3年くらいなら子どもたちにアメリカ生活を経験させるのもいいかなと思いますが、5年以上になると、日本に帰るときに適応が大変だろうと思うのです。下の子には少しADD(注意欠陥障害)があり、アメリカの学校でうまくやっていけるかどうかも心配です。でも、こういう子どもに対して、アメリカの学校の教育のやり方の方が進んでいるという話も聞きます。どうかアドバイスをお願いします。
長期海外生活をするかどうかは、人格及び学力形成期の子どもを持つ親には、子どもの将来に影響する大きな決断です。個人の性格、適応力、周りの理解やサポートなどで違ってきますが、渡米後も帰国後も、その適応に相当な労力が要ることは間違いありません。家族一緒の海外生活経験から得るもの、苦しみを乗り越えて得る人間的成長も大きいものですが、それに伴う苦労もあります。子どもの将来への影響、家族それぞれのニーズを踏まえ、まず、よくリサーチされることです。
小学5年生ともなれば、学校の勉強も高度になってきます。現地校ではそれを英語で学んでいかなくてはなりません。学校で学ぶほどの英語力の習得は、個人差はありますが、5年から7年ほどかかるといわれています。その間は宿題やリポートの提出などにサポートが必要となります。また、帰国後の子どもの高校や大学受験対策をどうするか、という問題もあります。
現地校にも通い、日本でも通用する高い学力も、となると相当なプレッシャーが子どもにかかることになります。更に、ちょうど思春期に入るので、異国での友人作り友人関係に悩むこともあるでしょう。選択としては、全日制の日本人学校に行かせる、現地校に行かせて帰国後、帰国子女枠のある学校を狙う、などがあります。その場合は学校の規定などがあるのでよく調べてください。もし長期滞在になれば、アメリカの大学へ進学ということもありえます。いずれにせよ、子どもの将来のビジョンを持つことが、決定のポイントになるでしょう。
小学1年生の子どもは、年齢が低いので、学校での勉強も友人作りもスムーズにいくように一見思えますが、学習言語(教科学習に必要な言語力)を育成する大切な時期でもあるので、この時期の長い海外生活を懸念する専門家もいます。家庭での日本語教育を含めたしっかりとした学力形成のサポートが必要です。また、交友関係も子どもの性格に大きく左右されます。性格的に明るく社交的な子は、遊びスポーツを通して友達が作りやすく、英語の上達も早いでしょう。ただし少しADDがあるということで、大きな環境の変化にどのように反応するか、また新しい言語の習得にどれくらい労力を要するか危惧されます。確かに、アメリカの学校の方がADDなどの障害に理解がありサポートもあるようですが、最近は予算も厳しく、軽い障害の子どものサポートまで手が回らない学区も多いようです。アメリカの学校は、公立でも学区、学校によって随分と提供する内容が異なるので、インターネットでニューヨークの日本人コミュニティーを探し、同じような立場の親を探し情報を得たり、学校と直接コンタクトを取り、子どもの事情を説明し、どのようなサービスを受けられるか調べると良いでしょう。そして、子どもの特性も考慮して決めるといいでしょう。
このように、家族での移住は、あなたにも子どもにも相当な負担がかかります。先に夫に行ってもらい、夏休みに日帰りサマーキャンプなどを経験させ、様子を見るという方法もあります。子どもがアメリカ生活に興味を持てば、その時実行しても遅くはありません。必要ならば2年ほどであなたと子どもだけ帰国するということもできます。また、生活の基盤を日本とし、長期の休みごとに夫を訪ね、アメリカ生活を経験するという手もあります。行く行かないの二者択一ではなく、家族全員のニーズを踏まえ、なるだけ柔軟な態度でいろいろなオプションを考えてください。
(回答:伊藤ゆき)
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